‘積雪・氷河・南極’ カテゴリーのアーカイブ

氷は固体の状態の水で

2010年1月20日 水曜日

化学組成はH2O。
密度は1気圧0℃において917キログラム毎立方メートル(kg/m3)で、水より軽い。このため氷は水に浮き、水が凍ると体積が増える。

氷と水が共存する温度、すなわち氷の融解点あるいは水の凍結点は、空気で飽和した水の場合1気圧で0℃である。

氷の融解点は、圧力が1気圧増えるごとにおよそ0.01℃下がる。したがって、圧力が、たとえば100気圧ならば、氷は零下1℃で融け、水は零下1℃で凍り、1000気圧ならば、氷は零下10℃で融け、水は零下10℃で凍る。

この性質を利用して、スケートやスキーが氷の上で滑るのは、0℃以下の温度でも圧力が加わると水が発生するためであると説明された時代があったが、これは誤りである。

スケートやスキーが滑るのは氷面に生じた薄い水膜のためではあるが、水は、圧力ではなく、運動による摩擦熱で発生すると考えられている。

涵養域は積雪量が融解量を上回るので

2009年12月29日 火曜日

氷河はどんどん厚くなり、消耗域では融解量のほうが多いので、氷河はどんどん薄くなるはずである。

しかし安定した氷河では、氷河の形や厚さは年々ほとんど変わらない。

これは、涵養域でよけいにたまった分が、消耗域でよけいに融けた分をちょうど埋め合わせているからで、これが氷河の流動である。

しかし、氷(固体)である氷河がなぜ流れるかという問題は長い間、物理学者を悩ませた問題であった。

19世紀にアルプスの氷河を研究したフォーブスJ. Forbesは氷河が水飴(みずあめ)のように流れるという粘性説を発表し、一方、ティンダルJ. Tyndallは、氷河の流動を、ファラデーによって発見された復氷の理論によって説明した。

現在では、氷の結晶の塑性変形と、氷河の底面滑りが流動をもたらすと考えられている。

氷の結晶は融点近くにあるので、強く熱せられた金属が変形しやすいように力を受けると、塑性的に変形する。

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氷の結晶はちょうどトランプのカードを積み重ねたような構造をもっているため、上から重力が加わると、カードが崩れていくように、結晶にずれが生じて変形するのである。

氷の塑性変形の研究は、レオロジーrheology(流水学)の発展に役だった。